いざ、スマートキーのスペアを作成しようと決めたら、どのような準備が必要で、どのような流れで作業が進められるのでしょうか。事前に必要なものと手順を把握しておくことで、当日の手続きがスムーズに進み、余計な手間を省くことができます。まず、スペアキーの作成依頼をする際に、必ず必要となるものがいくつかあります。第一に、「現在使用している、正常に作動するスマートキー」です。スペアキー(追加キー)の登録作業は、この「マスターキー」となる鍵がなければ、行うことができません。もし、全てのスマートキーを紛失してしまった場合は、「追加登録」ではなく、「新規登録」という、より複雑で高額な作業が必要になります。第二に、「車両本体」です。スマートキーの登録作業は、新しいキーの情報を、車両側のコンピューターに書き込む作業です。そのため、必ず車をディーラーや業者の元へ持ち込むか、あるいは業者に出張してもらう必要があります。第三に、「身分証明書」と「車検証」です。これは、あなたがその車の正当な所有者であることを証明するために不可欠です。車両盗難を防ぐための重要な手続きであり、これらがなければ、いかなる理由があってもスペアキーの作成はできません。これらの準備が整ったら、ディーラーまたは専門の鍵業者に連絡し、予約を取ります。当日の作業手順は、おおむね以下のようになります。まず、依頼者本人であることの確認が行われます。次に、新しいスマートキーに内蔵されている、物理的な鍵(エマージェンシーキー)の溝を、専用の機械でカットします。そして、ここからが最も重要な工程です。作業員が、専用のコンピューター診断機(登録機)を、車両の運転席足元などにあるOBD2コネクタに接続します。診断機を操作し、車両のコンピューターシステムにアクセス。そして、新しいスマートキーのIDコードを読み込ませ、車両に「正規の鍵」として登録します。この登録作業が完了すると、新しいスマートキーが使えるようになります。最後に、新しいスマートキーと、カットしたエマージェンシーキーが正常に作動するかを、依頼者自身が確認して、全ての作業は完了となります。所要時間は、おおよそ三十分から一時間半程度です。
スマートキーのスペア作成に必要なものと手順