「ママ、開かないよー!」部屋の中から聞こえてくる、子どもの泣き声。興味本位で部屋の内鍵をガチャリと閉めてみたものの、今度は自分では開けられなくなってしまった。これは、小さなお子さんがいる家庭で、決して珍しくない「あるある」なトラブルです。子どもはパニックになり、親もドアの外で焦ってしまう。そんな時、親として最も大切なのは、まず「冷静になる」ことです。親の焦りは、ドアの向こうの子どもに伝わり、さらに不安を煽ってしまいます。まずは、ドア越しに、優しく、そして落ち着いた声で、「大丈夫だよ、必ず開けてあげるからね。怖がらなくていいよ」と、何度も声をかけ続けてあげてください。子どもの心を安心させることが、何よりも最優先です。次に、物理的な解決策に移ります。前述した「非常解錠装置」が、その部屋のドアに付いているかどうかを確認しましょう。ドアノブの中心や根元に、コインで回せる溝や、細い棒を差し込むための小さな穴があれば、それを使って安全に開けることができます。この時も、「今から、魔法の道具でカチャって開けるからね」などと、子どもが怖がらないような言葉を選んであげると良いでしょう。もし、非常解錠装置が見当たらない場合や、使い方がわからない場合は、自分でドアを壊そうなどとは考えず、速やかに「専門の鍵業者」に連絡するのが賢明です。電話で状況を説明すれば、多くの場合、三十分から一時間程度で駆けつけてくれます。プロは、ドアを傷つけることなく、専門の工具で速やかに開錠してくれます。このトラブルは、子どもが「鍵」というものに興味を持ち始める、成長の一過程で起こりがちなことです。そのため、一度経験したら、再発防止策を講じることが大切です。子どもに、なぜ鍵をかけてはいけないのか、もし開かなくなったらどうなるのかを、分かりやすい言葉で説明してあげましょう。そして、子どもが不用意に触れないように、一時的に内鍵を使えなくするカバーを取り付けるなどの物理的な対策も有効です。今回のハプニングを、ただの失敗談で終わらせず、親子で安全について学ぶ良い機会と捉えることができれば、それは価値のある経験となるはずです。
子どもが内鍵をかけて閉じこもり!親の冷静な対応