車のトランクが開かなくなるトラブルの原因は、大きく分けて「電気系統」の不具合と、「機械系統」の不具合の二つに分類することができます。どちらに原因があるのかを切り分けて考えることで、対処法もおのずと見えてきます。まず、「電気系統」のトラブルです。現代の車の多くは、電気信号によってトランクのロックを解除しています。運転席のオープナーやリモコンキーのボタンを押すと、その信号がトランクのロック機構である「アクチュエーター」という部品に伝わり、モーターの力でロックを解除する仕組みです。この電気系統のどこかに問題が起きると、トランクは開かなくなります。最も多い原因は、アクチュエーター自体の故障です。モーターが寿命を迎えたり、内部のギアが破損したりすると、信号は来ていても物理的にロックを動かすことができなくなります。この場合、「カチッ」という作動音が全く聞こえなくなるのが特徴です。また、オープナーのスイッチや、そこからアクチュエーターまでの配線が断線、あるいは接触不良を起こしている可能性も考えられます。ヒューズが切れているという単純な原因も見逃せません。次に、「機械系統」のトラブルです。これは、ロック機構そのものや、関連する部品の物理的な故障を指します。トランクのロック部分(ラッチやストライカー)に、荷物が挟まっていたり、ゴミが詰まっていたりすると、正常に作動しなくなります。また、長年の使用による摩耗や、サビ、部品の歪みなども原因となります。特に、雪国などでは、凍結によってロック機構が固着してしまうこともあります。さらに、セダンタイプなどで、物理的なワイヤーでトランクを開ける車種の場合は、そのワイヤーが伸びてしまったり、切れてしまったりすることも、開かない原因となります。原因を特定するための一つの目安は、「音」です。リモコンやオープナーを操作した時に、トランク付近から「カチッ」とか「ジー」といった小さな作動音が聞こえるかどうか。もし音が聞こえるのに開かないのであれば、機械系統の不具合の可能性が高いです。全く音がしないのであれば、電気系統のトラブルを疑う、というように切り分けていくことができます。
トランクが開かない原因は?電気系と機械系のトラブル