リモコンキーを押しても、運転席のレバーを引いても、全く開く気配のない車のトランク。荷物が取り出せず、途方に暮れてしまった時のための、まさに「最終手段」と言えるのが、車内からトランクにアクセスし、内側から手動でロックを解除する方法です。多くの車には、万が一の事態に備えて、このような緊急時の脱出・開錠機能が備わっています。ただし、この方法は、後部座席とトランクが繋がっている車種(多くのセダン、ハッチバック、SUVなど)に限られます。まず、後部座席を倒し、トランクスペースへのアクセスルートを確保します。トランクスルー機能がない車種でも、後部座席の背もたれの中央部分にアームレスト(肘掛け)があり、そこがトランクと繋がっている場合があります。懐中電灯などを用意し、できるだけ体をトランク内に入れて、ロック機構の部分を探します。トランクのロックは、通常、トランクリッド(フタ)の中央下部にあります。そのロック機構の近くに、小さなレバーや、プラスチックのツマミ、あるいは紐のようなものが付いているはずです。これが「緊急時トランクオープナー」です。このオープナーの形状は、メーカーや車種によって様々ですが、多くの場合、夜間でも視認しやすいように、白や黄色、あるいは蓄光素材でできています。このレバーやツマミを、矢印の方向にスライドさせるか、あるいは押し込んだり引いたりすることで、内側から強制的にロックを解除し、トランクを開けることができます。もし、専用のオープナーが見当たらない場合でも、ロック機構のラッチ部分に直接アクセスし、細いマイナスドライバーなどでラッチを横にずらすことで、開錠できることもあります。この作業を行う際は、狭く暗い場所での作業となるため、懐中電灯は必須です。また、無理な体勢で体を痛めないよう、十分に注意してください。この方法は、あくまで緊急時のためのものです。一度この方法で開けることができたら、それは根本的な原因が解決したわけではありません。開かなくなった原因を突き止め、ディーラーや修理工場で適切に修理してもらうことが、再発を防ぐために不可欠です。
最終手段!車のトランクを内側から開ける方法